「薬は、PZCという旧薬が中心の治療でした。それ以外は何もなかったです。なので、再発したあとに、先ほども言ったように、これはしっかりと向き合わなければいけない病気なのかなということがあって、それで、いろいろな人の伝手(つて)をたどって、地域の家族会につながったんですね。
そこでいろいろな情報を得て、作業所というところがあることを知って、家にいるだけじゃなくていろんな人とつながっていくほうがいいよと、そういう情報を個人的に得て、作業所には通っていました。」
PZC(ピー・ゼット・シー:ペルフェナジン錠):定型抗精神病薬
「中心になる抗精神病薬以外の睡眠導入剤とかが、初回の時はどんどん減ったんですけども、再発のあとはなかなか減らなくて。本人がやっぱり辛さを訴えるので、薬の量がどんどん増えていきました。
ある時、布団からはいずるようにしか動けなくなってしまって、立ち上がれなくなってしまったんですね。『どうしたの?』と(娘に)言ったら、『もう体が重くて重くて動けない、こんなんじゃ、お母さん、私、生きている甲斐がない』というふうに言い始めたので、先生に相談したら、私も娘も驚くぐらい急に量をパッと減らされたんですよ。素人目に考えても、こんなに急に減らしたら、また症状が出るんじゃないかというふうに私も思ったし、うちへ帰って話し合ったら、娘も同じ感じだったんですけども。
でも、先生の指示だからということで、薬を減らして様子を見たら、また今度やっぱり落ち着かなくなってしまって、『お母さん、こんなんじゃもう辛くて私だめえ』ということでしたし、病院にも行けないような状況だったので、先生に電話で何回も連絡をして、『急に薬が減ったことで本人とても不安定になっている、でも先生のところに連れて行けるような状況ではないので、今まで同じ薬なので少し量を増やして様子を見るということをしてみてもよろしいですか?』と言ったら、もうそれはそれは、冷たい対応で、『だったらそうすればいいじゃないですか?』と言われたんですよ。それで、薬を増やした状態で様子を見ながら、私はそのときに病院を変えることをちょっと考え始めていましたね。」
「いろいろな方の伝手(つて)をたどって、とにかく遠いところには通えないですし、待合室で待っていることがすごく苦手な状況だったので、近場で診てくれる先生をということで、別の、ここだったらいいかなというようなところに私だけ1人で相談に行って、これまでの経過をお話したら、古い薬での治療だと、どうしても量が増えると副作用で体が重くなりすぎるということが出てくるので、今、新薬も出ているから、新薬を試すという方法もあると思うので、ご本人が了解をしてうちに来られるようでしたら、治療のお手伝いはできますよというお返事をいただいたので、娘と相談をして病院を変えました。(病院を変えたのは)1年後ぐらいですね。
激しい症状は落ち着いたんですけども、そこから先に、前の場合は、ゆっくり休んで様子を見ていたら自分から動き出せたんですけど、それがなかなかやっぱり見えなくて、辛さばっかりが…。たぶん外に出られないことで、辛かったんだと思うんですけど。で、その辛いということを言ったらどんどん薬の量が増えて、動けなくなってしまったというふうになったので、この治療方法ではちょっとうまくいかないのかなということで、病院を変えました。
最初は、いい状況でお話を、必要なときには30分でも、時には1時間でもよく話を聞いてくださって、新しい薬で様子を見ながら合う薬を見つけてくださって…。本人も、これだったら薬を飲みながら少しずつ自分のやりたいことができるようになりそうだというような手応えをつかめたので、その先生を信頼して通っていました。」
新薬:新規抗精神病薬。非定型抗精神病薬ともよばれる。