統合失調症と向き合う

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ペトロさん
ペトロさん
1967年生まれ、46歳(収録時)。29歳の頃に幻聴と妄想が始まったが、自分では現実のものと信じ、さまざまな機関にその内容を訴えたが解決せず、自分の聞いているものが現実であることを証明しようと精神科を受診し、統合失調症と診断される。営業マンとして働いていたが、会社を辞め、ボランティアをはじめさまざまなことを行った。2年前に住まい近くの障害者就労支援センターの存在を知り、支援を受けながら就職活動を行い、現在は老人ホームの調理場で調理師として週5日働いている。
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14心の支え
Q.今まででいちばん辛かったのはどのような時ですか

「これは決定的に記憶に残っているのですけれども。やっぱり、最初の頃は、精神科の病棟に入院して施錠するわけです。鍵をかけられて…。

最初のうちは、やはり暴れるかもしれないと思ったのかもしれないのですけど、ベルトで縛られたのです。落ち着かせるためといって。だから僕が、ちょっとお医者さんに興奮しながら説明したのかもしれないのですけど、点滴を打つ時とかに縛られたのですよ。『それはないでしょう。なんでこんなことをするの?』と思って…。鍵をかけられて、俺、囚人みたいだなと思って、あの時はほんとに嫌になりましたね。それは最初、落ち着くまでですね。1日か2日か、それぐらいでしたかね。でも、結局しょうがないのでしょうね。」

Q.あなたの心の支えとなっているものは何ですか

「やっぱり今、老人ホームで仕事をしていて、特別養護老人ホームですから、お年寄りはほとんど外に出られないですね。1日中お部屋の中にいる人達が多いので、とっても食事の時間を楽しみにしてくれています。そういうご老人達の笑顔…。

厨房にいるだけではないんですよ。実際、でき上がったもの(食事)をワゴンに入れて、それぞれのお部屋まで運ぶのです。『どうぞー』と言ってご挨拶するところまでやります。

10人ずつのユニットで、それぞれのお部屋が、個室があるのです。真ん中にリビングがあって、そこでみんな10人ずつお食事(を)するわけです。『ありがとう』とか言ってくださるので、やりがいを感じますよね。

それと、職場での同僚達とのチームワークの連帯感とか、家族的な雰囲気ですね。それもとっても僕にとっては、支えになっています。あるいは、あんまり会わないですけど、日々の友人達とのメールのやり取りで、いろいろ会話をしたり。あるいは、今シフトで、週に2回ぐらい休みが取れるのですが、その時の家族との時間ですね。

あるいは、今、自分のブログをいろいろやっているのですけども、日々感じていることを書くということも、面白くやっています。あるいは、月に1回、クリニックに通院しているのですが、その時必ずどこか決めて、食べ歩きをするようにしています。それも、楽しみですね。そしてやっぱり精神的には、教会に通うこと。これが支えになっています。」

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