統合失調症と向き合う

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ペトロさん
ペトロさん
1967年生まれ、46歳(収録時)。29歳の頃に幻聴と妄想が始まったが、自分では現実のものと信じ、さまざまな機関にその内容を訴えたが解決せず、自分の聞いているものが現実であることを証明しようと精神科を受診し、統合失調症と診断される。営業マンとして働いていたが、会社を辞め、ボランティアをはじめさまざまなことを行った。2年前に住まい近くの障害者就労支援センターの存在を知り、支援を受けながら就職活動を行い、現在は老人ホームの調理場で調理師として週5日働いている。
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3精神科受診
Q.病院を受診しようと思われたのはなぜですか

「私の身近な教会のフランス人の神父さんに相談した時に、『あなたが言っていることが真実かどうかを確かめるためにも、一度病院に行きなさい。病院の先生が何を言うか聞かせてください』と言われたんですね。それで、ミッション系の総合病院を紹介してくれたのです。これが病院へ行った動機なのです。

僕は、自分が病気ではなくて、体験が事実であるということを証明しようと思って病院に行きました。だから、病院へはとても気合を入れて、勇んで行ったのです。『絶対病気じゃないことは証明できる』と思っていたのです。ちょうど1996年だったと思います。

その時は、思い込みのようなところですよね。だって、自分にとっては現実でしたから。俺の空想じゃないなと。これは、例えば、自分の心が、あるいは脳で考えていることが出てくるとか、そういうものではないという感じだったんですよね。まったく別の人格、まったく僕が考えもしないようなことを、テレビ番組を聞いて(観て)いるような感じというのですかね。だから、『絶対俺は病気じゃない』と思い込んでいたのです。」

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