統合失調症と向き合う

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ペトロさん
ペトロさん
1967年生まれ、46歳(収録時)。29歳の頃に幻聴と妄想が始まったが、自分では現実のものと信じ、さまざまな機関にその内容を訴えたが解決せず、自分の聞いているものが現実であることを証明しようと精神科を受診し、統合失調症と診断される。営業マンとして働いていたが、会社を辞め、ボランティアをはじめさまざまなことを行った。2年前に住まい近くの障害者就労支援センターの存在を知り、支援を受けながら就職活動を行い、現在は老人ホームの調理場で調理師として週5日働いている。
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8治療中、辛かったこと
Q.治療中、辛かったことはありますか

「基本的に僕はどちらかというと楽観的なので、楽天的と言いますか、治療で辛かったということはあまりないのです。ただ、自分が精神的な病気になってしまって、それが悔しかった。家族にも申し訳ないし…、それが辛かったです。まさか自分が精神障害になるということは、ほんとに思いも寄らないことでした。

僕はキリスト教の信仰を持っていますので、それまでの人生でも複雑に苦悩する、迷い歩くということはそんなになかったんですね。精神的にも結構安定しているほうではないかなと自負していました。だから、こういう病気になって、仕事もできなくなってしまって、前のように喜び一杯の部分、そして、自由な感じというのがなくなってしまって、これはもう楽しむことができないなと感じた時には、ちょっと投げやりな気分になりました。なんか、バカバカしくなってしまったんですね、気分的に。」

Q.治療に役立ったことや心の慰めになったことは何ですか

「これは、まじめにお答えしたいと思うのですけれども、やっぱり、僕はクリスチャンですので、聖書とか、イエスキリストの言葉というものが、とっても支えになりましたね。人生の中で、神様が与えてくださった試練というものを、十字架というふうにして、受け止めました。で、自分の人生を神様に捧げるというキリスト教の精神、キリスト教の教えというものが、僕にとってはとっても大切でしたし、励ましでもありました。」

Q.心の揺れはありましたか

「そうですね。揺れていましたね。だから、1人の人間としてバカバカしく感じられることでも、信仰を持った人間として見れば、それはやっぱり意味があるというふうに思う、この間を揺れていましたね。

どちらが本当の自分かというと、そのバカバカしいと感じているのが本当の自分だとは思えなかったんですね。だから、やっぱりこうやって信じている自分というもののほうが本当の自分だと思えたので、心は落ち着きましたね。」

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