統合失調症と向き合う

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森 実恵さん
森 実恵さん
(もり みえ)
33歳の時(結婚し、子どもが2人)に幻覚などの症状が出たことで心療内科を受診し、その後、病院を変え精神科に通院。34歳の時に1回入院経験がある。病気がきっかけで本を出版することになり、現在数冊の著書がある。作家活動の他、講演を依頼されたり、週に1回、職業リハビリテーションセンターで講義をしている。病気が原因で離婚し、現在は母親、娘、妹と同居。
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6一番辛かった時
Q.今までで一番辛かったのはどういう時でしたか

「やっぱり発病してから3年位の間ですね。一番急性期であらゆる幻覚が出ていた時に、自殺未遂を何回かしましたし…。本当に運が良くて命が助かったと、今では思っているのですけれども。あとは、病気が理由で夫とは離婚してしまって、(2人の子どものうち)上の子とは離れて住むことになったのがすごく悲しくて、子どもとなかなか会えないという辛い時期がありましたね。

私の場合は、病気によって殺されるというような自殺未遂だったと思います。私の場合、「死ね死ね」という声が聞こえてきて、その声に追いかけられたり、死神の幻覚なども見えましたので、死神に追いかけられて、本当に逃げ回って、崖から飛び降り、自殺未遂をしてしまったことがありました。回復してからも辛いことはあったのですが、自分の意思で、辛いから苦しいから死にたいというようなことは、私の場合はなかったです。」

Q.心の支えになったのは何ですか

「一番の支えになったのは、下の子どもを引き取ることができたということかなあと思います。子どもを引き取って、また母親として子どもを育てていける喜びというものを感じた時から、この子のために、たとえ病気があったとしても、自分は一生懸命働いて、一人前に子どもを育てていこうと思うことができました。

それから精神的に支えてくれたものは、やはり本だったと思いますね。失職していた時にすごく暇だったので、図書館の本を借りまくって、ありとあらゆるジャンルの本を読んでいたのですが、その本の中にある1つの言葉に支えられて、力をいただいて、勇気づけられた部分が大きくあったと思います。」

Q.どのような本に勇気づけられましたか

「たくさんありますが、自己啓発本を読みはじめた頃から、自分の考え方が、かなり前向きに変わっていきました。病気があったとしても、明るく前を向いて生きていこうというふうに考え方を変えることができたので。1つの言葉というわけではないですが、自己啓発本を書いておられる、本田健さんとか、斎藤一人さんとか。

あとは勝間和代さんとか。経済評論家で、自己啓発ではないかもしれないですけど、生き方が非常にアグレッシブで、なかなかいいなと思っています。シングルマザーで3人の子どもさんを育てながら頑張っている姿を拝見して、『ああ、自分もあんなふうになれたらいいな』と憧れたりとかして…。そういういろんな著書に勇気づけられた部分があると思いますね。」

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