統合失調症と向き合う

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森本隆道さん
森本隆道さん
(もりもと たかみち)
50代前半(取材時)。11回の入院を経験。8年前に親元を離れ一人暮らしを始める。現在は、同病のパートナーと一緒にグループホームに住んでいる。通院している病院のソーシャルワーカーの紹介でピアセンター(就労継続支援B型事業所)とつながり、ピアサポーターとして病院のイベントへの参加や中学校などで体験談の発表などを行っている。
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9メッセージ
Q.当事者の方へメッセージをお願いします

「僕は33年間、この病気を患っていますけど、良い時も悪い時もあるので、自分の夢や希望を捨てずに生活していってほしいと、切に望みます。病気になって、他の人のことまで考えられない状態でしたけど、33年という期間が、そういうふうに(思えるように)してくれたのでしょうね。

過去には、何度か母にあたった時もあります。『なんでわしだけこんな病気にならんといけんのじゃあ!』と言ったり、『産まんでも良かったのに!』と、いちばんきついことを言ったりしました。

実家にいる時に死にたくなったことがありました。車で飛び出して、家の近くにある橋(下に海がありました)を渡ったところの脇に車を止めて、母に『これから死ぬから』と言って、携帯電話の電源を切っていました。車の中で、他の車が通らないか見ていたら、父と母が駆けつけてきて、ソーシャルワーカーさんにも連絡がいっていて、結局、死ぬことはできませんでした。

そういうことが全部で5回ぐらいありました。いろいろなしがらみとか関係性から逃げたくなって、死にたくなりましたが、周りのことが気になり、結局はできませんでした。みんながいることが分かって、自分は死ねないと思ったのです。

皆さんにも『死にたい』と思うことがあると思いますが、絶対死なないでほしいです。今は、『夢や希望を忘れずに』といちばん思いますね。それは、当事者の方々だけではなく、健常者の方にも言えることです。良いこと、悪いこと、いろんなことがありますので……。」

Q.医療体制での要望は?

「国に決められているのかもしれないけども、医師でも看護師でも、スタッフを増やして充実させてほしいですね。福祉関係者でもそうです。要望はいろいろありますけど、人数が足りていないのがよく分かるので、なかなか言えていないです。」

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