統合失調症と向き合う

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清水康彦さん
清水康彦さん
(しみず やすひこ)
昭和50年生まれの42歳(収録時)。大学で歯学部の学生だった22、23歳の時に発症。医療保護入院の形で精神科治療を受けることになる。現在は、生活のリズムを作るために地域活動支援センターに行ったり、同じ病の仲間と集まるようになった。
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8回りとのコミュニケーションについて
Q.医師やそのほかの医療スタッフから分かってもらっていないと感じたことは?

「たしかに、顔の症状が出ていた時に、それはちょっと自分はどうもならないという時に、まあ、分かってもらえなかったというよりも、自分の意見が通るものなのかどうなのか全然分からなかったので、正直言って、やばいと思って逃げたのですけど。

まあ、平素の診察とかそういう時とかは、割かし、今の通っている先生ですけれど、そんなには意思疎通で困ることは無いかなという気はしますね。自分の思っていることを伝えることと、聞いてもらうことは割かし、今のところ噛み合っているような感じがするので。」

Q.現在の通院先を選んだ理由は?

「(通院先は)単科ではないです。総合でもないのですけれど、でも精神病院のいちばん大きい所です。内科とかそういう科もあります。全部の科があるわけではないですけれども。

そこの病院の他にいる神経内科の先生に少し診てもらったらどうだといって診てもらって、大学病院を紹介してもらってとか。それで一度、一応たどったのですけども。(大学病院に)行きました。初めの入院したM病院にはだいぶ長いこといたのですけれど、そこからは、まあなんていうか逆にこの顔の症状が出始めていることがきっかけで、変わることになったのです。

大学病院は、たしかに治療はしましたけれど、もともと診てくれた主治医の先生とちょっと治療のことで揉めてしまって。で、自分は診察に毎回行かなければならないものですから、行くたびにそれを言われるとちょっときつくなってきたのですよね。それで『すいませんけど他の所に行きます』といって、町のクリニックをいくつか転々として……。

で、今、家の近所にあるクリニックに行っているのですけれど。町医者さんですね。入院設備とかはないですけれども。そこには、もうすぐしたら、10年までいかないかな。結構行っています。」

Q.ご家族との関係は?

「家族と話をする時に、自分がこんなことをしたいとかと言いだした時が、お互いに分かるのですけれど、そういうことは、ちょっとなら、『またなんか始まったな』ということになるのですけど。まあ、その時は、うまく家族ははぐらかしてくれるのですけれど。それができる親だから助かったのですけれど、ま、自分が、ちょっとのって言い出すと、どうもまずいことになる前兆かもしれないという気がするらしいのですね、うちの家族なりに。

その時によっては、仕事をすることもその中の一つなのですよ。なんか仕事をし始めたりという時もあるし、例えば、大きい買物をしたりとか、なにかしらをしたいと言いだした時に、いろいろあるのですけれど。実際何も聞かないでやってしまうこともあるのですけどね。あまり言うことを聞かない時もあったので。」

Q.ご家族との関係で留意していることは?

「(家族は)理解はあるほうだと思います。他の人から話を聞いていると、うちは、理解はしてくれているというよりは、うまいこと距離を取ってくれている感じですかね。見守るというか。お互いにそんなに干渉し合わないようにして、お互いを守るというか。そういうこともなんとかできていたもので、家族関係をもっていたのかなと思います。

ま、最近になってやっとそんなふうになれたのでしょうけど、やはり、あのままでお互いが居合わないように、そこそこの距離を保つというか。一緒に住んでいても、それぞれの生活があるということを、お互いに思っているといいのかなと思っています。」

Q.仲間同士のコミュニケーションで心に残っていることはありますか

「そうですね、コミュニケーションもいろいろあるのですけれど、何か、良い印象が残っているものと、良くない印象が残っているもので少し分けてみると、どっちかというと、あまり良い話ではないですけど、話が揉めた時の印象が結構強く残っていて。で、そのことがあったからちょっとその人とも疎遠になってしまったというやりとりが結構あとでも残るものだなと、自分でもあとで思いました。だから、自分はひどいからといってあまり人に当たっても良くないなと思いましたね、やはり。

心の病気の関係も少しあるので、やはり精神的に少し不安定な人も自分も含めて多いし。言うことやることが、まあ、殴り合いまでのケンカにはなかなかなりませんけれど、なんか、ちょっと揉めたりすることはよくあるので。そういうことは、普段から気をつけていますけど、やはり、なりますね。」

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