統合失調症と向き合う

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清水康彦さん
清水康彦さん
(しみず やすひこ)
昭和50年生まれの42歳(収録時)。大学で歯学部の学生だった22、23歳の時に発症。医療保護入院の形で精神科治療を受けることになる。現在は、生活のリズムを作るために地域活動支援センターに行ったり、同じ病の仲間と集まるようになった。
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4現在の薬
Q.現在服用している薬を教えてください

「今は、名前で言うとジプレキサ・オランザピン、あとエビリファイという精神薬が柱になっています。あと炭酸リチウム、これは躁鬱のほうのお薬なのですけれど、ちょっと気分障害の方も……。波が大きいという話を、自分から先生に相談したのです。で、その薬もちょっと混ぜてもらっています。

リスパダールという薬が昔は主流だったのですけれど、それを飲んでいる時によく出る副作用、それは副作用だったのですね。ほんとに目がこう上に少し上がってきて、症状としてはそれだけなのですけど、内面はすごく不安になるのですよ。で、体の焦点が分からなくなってしまって、立っていても座っていても寝ていてもどうしたらいいか分からない状態になるのです。発作的なものなのですけれど、なったらしばらくは大人しく寝ている余地しかないという状態になるのですが、結構、それがある内は不安でした。で、リスパダールから薬が変わったらその副作用は結構減ってくれたので。今でもないわけではないのですけれど。

(今も)よほどひどい負荷がかかるとありますけどね。強い、激しい運動をしたり、結構、強いストレスがかかると出る時があるので。

副作用としてはまあ、ジプレキサの副作用で有名なのは、多少食が勝るというのがありますけど、まあ、ある程度出ましたね。実際に結構体がでかくなったので。でも、それは、今ではそんなひどい副作用というわけでもないですね。

むしろ、それよりも顔がひきつる症状が出始めてきたのは、これは薬の副作用ではどうも無いのですけれど。これはどうも、頭の中を走っている顔面神経という神経がちょっとこすれ合っているというか、ちょっと中で触れ合っているらしいのですね。ま、神経内科の先生に診てもらったのですけど一応。精神科ではない、ちょっと近いのだけどちょっと違う病気みたいです。

ある程度の治療はしたのですよね。初めもうちょっと緩い時には、顔の表面に注射を打ったり。そういう治療があるのですけれど、それをやっても対処療法なのでやはり治まらないというか。多少飲んでいて今ぐらいの状態なので。なんか神経薬なのですけれども、一応それは飲んではいます。」

ジプレキサ(オランザピン):非定型抗精神病薬
エビリファイ錠(アリピプラゾール:非定型抗精神病薬)
炭酸リチウム(気分安定薬)
リスパダール(リスペリドン):非定型抗精神病薬

Q.症状は安定していると思われますか

「だいぶ長いこと安定しているので、まあ、ある程度薬と自分の体のバランス的には、いいほうなのではないでしょうかね、これまでの中では。

睡眠時間は、寝る時間、起きる時間を決めているというよりは、まあ寝たらだいたい何時間かダーっと寝るという感じで、結構、途中で目は覚めないですね、最近ね。今、だいたい7〜8時間は、一気に寝ます、最近は。だからだいぶ助かっているのですけど。ひと頃は、やはり夜中に目が覚めたり、なかなか寝れなかったりして。寝れないというのはいちばん堪えるので、なんやかんやと言いながら……。

今のところ、眠剤系は飲んでいないですね。(昔は)少し入っていた時期もあるみたいですけれど、かれこれ長いこと、夜に1回ジプレキサを飲むのですけれど、それを飲んだら自然と眠気がかなり強くくるのですわ。眠剤代わりぐらいの力を持っていて、よく寝れていますね。」

Q.症状や生活が安定したと思われるのはいつ頃からでしょうか

「まあまあ安定ですか。何年ぐらいと考えると、年齢で考えてみて、今40代に入りましたけど、やはり……30半ば過ぎた頃ぐらいから、まあその前に比べれば少しは何かやることが落ち着いてきたかなという気もしましたけれど。で、今40(歳を)、とりあえず越してみて、少しは丸くなったところはあるかなと思えるところも、ちょっと出てきましたよね。

やはりいろんなことを経験したからではないでしょうかね。病気をしながら生活するという中で、時にはちょっと活発になり過ぎることもあれば、時には落ち込むこともあるけど、同じようなことを繰り返しているうちにだんだん、やり方が慣れてくるというか。それでまあ、少しずつ経験値が増えてきて、それで対処が少しずつできるようになったのかもしれないと思っていますけれどね。」

Q.症状が悪化しないように気をつけていることはありますか

「何を置いても自分ら、ほんと無理をしないということが大事なのですけども、無理をしないと思っていても無理してしまうものですから、みんなそれでこけるのですけれど。頑張らないというか、頑張りすぎないかな、頑張りすぎないように自分の心と体をあえていたわってあげると、まあ、そんなに症状がガーっと出ることが減るかなという気がしていますね。

そうですね、人によっても違うかもしれませんけれど、やはり疲れやすいとか、気力が持たないとか、そういうのは結構共通していると思います。」

Q.症状の悪化の予兆があれば教えてください

「まあ、部屋の散らかり具合と、普段やることが増えてくると、ま、その支援センターとかに行っている時ですけれど、主に。してきて、やることをいっぱい抱えて(自宅に)帰って来て、そのままにして寝たりしていると、部屋がだんだんだんだん散らかってくるのですけど。で、はたと自分の部屋を見て、『散らかってるな』と思ってきたら、またごちゃごちゃしてきたなというのが分かるのですよね、なんとなく。それが分かるようになってきたのがさっき言っていた、ちょっと落ち着いてきたかなと思った頃で。

昔はそれも分からずに、ごちゃごちゃになってもそのままなんでも頑張っていたのですけれども、だんだんそれでは無理は利んぞということが少し分かってきて。で、自分が苦手なところは、一人で頑張り過ぎるところがあって、上手く人にものを頼んだりとか、お願いしたりするのが苦手なのですよね。そういうところもあるから余計、その時の無理し具合を、自分の部屋の散らかり具合で測るというようにしていたのです。

ま、そういうようなものも一つの目安にね。実際に部屋は毎日(帰って)くる所ですから、ここが不具合を起こしてくると、こりゃいかんなと思うようになってきましたね。」

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