統合失調症と向き合う

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石山勲さん
石山 勲さん
(いしやま いさお)
1958年(昭和33年)生まれ、56歳(収録時)。システムエンジニアとして働いていた29歳の時に症状が出て、内科を受診し、その後、精神科を受診する。会社は退職。物を書くことが好きで、保護室に入院した時の体験を記した本を発行。現在は、精神科医療施設の研究の手伝いや当事者として講演活動に携わっている。当事者自助グループも運営中。母親と同居。第2回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)を受賞。著書に、『幽閉』(萌文社)『精神保健・医療・福祉の正しい理解のために』(萌文社など)がある。
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2発症状況
Q.体調を崩した時の状況を教えてください

「発症が29歳の時で、それよりも前に異常には気がついていたのです。ただ、その時に精神科の病識がなかったものですから、それを病気とは知らないで、29歳の時、コンピュータの仕事をしていたのですけれども、会社で倒れて、内科の病院に入院しました。診察(診断)は、最初は過労だったのです。2週間入院しました。

症状自体は幻覚とか幻聴とか妄想とかがありましたね。あとから本で調べたら、それはそれ(統合失調症の症状)らしいと。ま、あとから分かったと。」

Q.いちばん初めに出た幻覚は?

「僕のファンだった歌手が、僕の入院している病院に来ているというような幻聴が出ましたね。要はありえないですよね、普通ね。だけど、本人の中ではつながっているので、『あ、来たか。迎えに行かなきゃ』ということで、大騒ぎになったことがあります。

入院中です。その時は内科病棟にいました。だからその時点で、幻聴が働いていたと。それで(あとで)精神科に入院になりました。」

Q.入院時の治療内容は?

「ただ薬を飲まされて、寝ているだけみたいな…。いや、内科の薬なので(種類は)分からないですね。(薬は)効いたというよりも、いわゆる精神病の症状が既にあったので、効いているか効いていないかは分からなかったですね。

過労というか、食欲も落ちていたので、なるべくたくさん食べなさいみたいな感じでしたね。」

Q.退院後はどのような生活を送られましたか

「(退院して)2週間(後に)会社に戻ったら、やはりその時に、今度は心臓に痛みが走ったのです。あとから思えば幻覚症状が心臓に来ていたと思うのですけれども。また病院で倒れて、2週間の再入院。内科病棟です。

(入院の)最後のほうになって、『この薬を飲むと胸が痛くなるので、先生飲みたくない』と言ったのです。でも、看護師さんやお医者さんが聞き入れてくれなかったので、自分から退院してしまったのです。

自宅にいて、その後、うちの両親が、その内科の先生と相談したみたいで……、あとから分かったのですが、精神科に行ったほうがいいということでした。」

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