統合失調症と向き合う

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Y.F.さん
Y.F.さん
1945年(昭和20年)生まれ、69歳(収録時)。2週間に1度通院している。両親亡きあとは一人暮らしをしており、現在は、病院の売店の仕事やピアサポート活動、当事者の会を運営するなど、充実した毎日を送っている。短期間であるが禅宗のお寺で修行した経験があり、現在のこころの支えとなっている。
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9症状のコントロール
Q.現在、体調が悪くなる時はありますか

「ありますよ。やっぱりストレス(を)感じたり、そんなんありますよ。ストレス感じる…、(そういう時は)まあ音楽(を)聴くなり風呂(に)入るなり、なんとか散歩するなりしますね。

ほんで、毎日やっているのは、なるべく仏壇で拝むようにします。それで自分を取り戻すというか。毎日ガサガサ動いているから、それ(を)鎮めるというか、動きの面と自分を鎮める面というかね、それを毎日。病気する前は、それ(は)なかった。毎日、自分取り戻す(ということは)なかった。社会でやっぱり発病したから、なんや、ぐわーっとやっていた。

自分(を)取り戻すようになったら、横にメモ用紙を置いといてね、仏壇を拝みながらメモ用紙を置いておいてメモするんです。拝みながら、気がついたらぱっとメモする。それを集積します。やっぱり考えも深まるし。座禅の雲水(うんすい)さんもそうせい言うて教えてくれるんです。座禅で拝んでいても横にメモ用紙(を)置いとけと言うて、それでメモ用紙(を)置いています。

この頃は『呼吸法せい』言うています。幻聴の、先生に会うたんです。多少幻聴があるいうからね、こんな状態や(と)言うたんです。それでは『呼吸法をしなさい』(と)いうて教えてくれるんです。なんでか言うたら、待ってる時でも、『さんです、田中角栄さんです』とか、そんなんが聞こえてくる感じするんです。待ってる時に。急くんやね、僕の気持ちが。それを鎮めるために呼吸法をしなさいというのか。ほんで呼吸法(を)するようになって…。なるべく落ち着けるようにします。歩く時もスローに歩くというか、急いでいる時もスローに歩くというか…。

ほんなら、うまくなんか事が進むような感じがします。急いてはやっぱり事をし損じる。呼吸法をしてじっとしとったら、落ち着いていたら勝てる。」

Q.あればいいなあと思うサービスは?

「昔みたいに町に住むというのか、僕らちっこい時は精神病者(が)町におった。そういう人と一緒に暮らしていた。精神病院(が)あると思わへんかった。そうやって町に一緒に住んだらいいと思います。僕も実際住んでみて、民生委員の方も、僕のご近所かもしれないけど、すぐに聞きにいってくれたりするから、親切ですから。こっちもオープンにしていたら相手もちゃんとやってくれます。

だから一緒に住めるように、どういうんかな、僕らが実績を見せてあげるというか、社会にね。そんな先生が言うように危険な人物ばっかり思わんと。池田小学校の(事件)、あんなマスコミであんま(り)報道せんとほしい。あれものすごく気になって、外(に)出られんかった、辛かった。(自分と)全然関係ないけど、同じ精神病者としてこっちが咎(とが)める。良心が咎(とが)める。騒いでくれるから。マスコミに(は)騒がんといてほしい。」

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