統合失調症と向き合う

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A.T.さん
香菜世さん
(かなよ)
1989年生まれの24歳(収録時)。中学生の時に症状が出現し精神科を受診する。中学・高校と学校でのサポートを受けながら学校生活を送った。家族(両親、兄・弟、犬が一匹)と同居し、働いたこともあったが、現在は家事を中心とした生活を送っている。自身の詩集(『ココにいるよ』、文芸社、2012年6月)を発行し、NHKのハート展で受賞した経歴をもつ。収録には母親も同席し、親としての気持ちも一部、掲載した。
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17メッセージ
Q.同じ病気の方へメッセージをお願いします

「もうとにかく、『死なないでほしい』と思うことですね。辛かったらSOSを出していいのだから、絶対に死なないで生きててほしいと思います。生きていれば、絶対にいいことあるし、今まで生きてこなかったら今がないのだし、今がなかったら明日は来ないのだしと思えば、1日1日なんてあっという間に過ぎるのだから。

1年経って2年経って3年経ったらもっと分からないし。だから、絶対に生きてれば良くなるし、良くならなくても絶対に少しは進歩して何か対処法が見つかっているかもしれないし。未来なんて見えないのだから、先の見えない未来の不安より今のことに集中して、今が過ぎて、未来を待って、生きていてほしいと思います。」

Q.ご家族へのメッセージをお願いします

「うーん、そうだなあ…、『大切だよ』と言ってあげてほしいですね。言葉じゃなくても、抱きしめてあげてほしいし、間違っていることをやったら間違っていると怒ってあげてほしいし。本気で。殴ってもいいから、本気で死のうとしていたら本気で止めてほしいし。いつでも本気でぶつかってあげてほしいです。」

Q.医療者や医療制度などに対してはいかがですか

「医療者の人にはやっぱり、さっきの家族の方に向けてと一緒になってしまうかもしれないのですけど、間違っていることには間違っていると言ってあげてほしい。でも、きちんと困っていることに対しては、面倒くさかったり鬱陶しいと思ったりするようなこともあるかもしれないけど、とにかく話を聞いてあげてほしい。

その上で受け入れて、否定しないで、それでアドバイスをしてあげたり、えらかったことには褒めてあげてほしいし。それは年齢問わず。で、悲しかったことには悲しかったねと一緒に悲しんであげてほしいし。他人だからと突き放さないで、親身になってあげてほしいです。

(親身になっていないと)結構分かってしまいますね。なんとなく、『あ、時間気にしているな、今、先生』だったりすると、こちらが焦ってしゃべってしまったりするので。なんて言うか、そういうことって意外と伝わってしまうじゃないですか、誰でも、なんとなく。敏感な人などは特に分かってしまうと思うのですけれど。

先生としゃべっている時に、そっぽを向かれて、前の、2番目の先生が、しゃべりながらメモを取っているなあと思って手元を見てみたら、よく分からない“の”の字を書いているような先生だったので、『あ、聞き流してんだ』と思ってしまって。せめて聞き流すにしてもこちらを向いてね、とは思います。」

Q.インタビューにご協力くださった理由を教えてください

「『統合失調症と向き合う』というタイトルでしたよね。それって、病気と一緒に生きていくということだと思ったので、それなら私もそう思うし、病気を受け入れて、しっかり自分の人生を歩んでいこうという、なんて言うのかな、皆さんの集まりだと思うし。観ている方もそうだと思うし、これからそういうふうに思えるようになっていってほしい人もいっぱいいるでしょうし。それの役に立てるのだったらと思って、インタビューを受けようと思いました。

病気も個性と思うとか、病気があったから良かったと思えるようなことを探したりしたほうが早いかなと思います。病気があったから優しくなれたなあとか、病気があったから、なんて言うかな、病気の人の気持ちが解るなあだったり…。そういうことの取っかかりを掴んで、ちょっとずつ探していけば、病気であって良かったと思えることがきっとあって…。そしたら病気と一緒に生きていこうと、きっと思えるのではないかなと思います。」

Q.ポジティブシンキングですね

「いや、でもここまで来るのに母に何度泣きついたことか、みたいな感じです。でも、元々の性格、たぶん私も母を受け継いでいてポジティブだと思うのですね。だって、せっかく生まれてきたのに、ウジウジしていたらつまらないし、私だって結婚したいし、私だって諦めた夢はあるけれど、今後もまた新しい夢があるかもしれないし。たかが病気1個のせいで全部人生をだめにしていたらもったいないと思ってしまうので…。」

Q.お母様の感想は?

「ほんとに頼もしいですね。良かった。できないことがいっぱいあったのですけれど、それを数えるよりも、これから前を向いて、さあ、何ができるかなと、それを一つ一つ見つけてやっていこうと思った時に、彼女の詩集が出たので、これは大きかったですね。

そして、NHKで賞をいただいたのですね。それも大きかったですね。私は彼女がこんなに詩をたくさん書いて、書いているのは知っていましたけれど、まとまって読んだことは初めてだったので、『結構この子すごいかも!』と、初めて思いました。」

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