統合失調症と向き合う

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Eさん
さん
(匿名希望)
1978年生まれ、31歳。高校時代からこころの不調を感じていた。東京にある大学に進学し、大学2年生(20歳)のときに精神科を受診。数か所の病院に通院し、何度か入退院を繰り返す。10年ほど東京で暮らし、4、5年前に実家に帰る。現在は、定期的に通院しながら、一般就労をし、安定した生活を送っている。現在は両親と同居中で、将来は一人暮らしを計画している。
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12安定してきたと思うターニングポイント

「私の中では段階があったと思うんですけど。最初に少し落ち着いたなって思ったときは、退院をしてデイケアに通い始めるときでした。そのときにずっと泣いている生活から、少しは笑う生活になりました。そこでもまだまだつらかったんですけど、その次に作業所に行くようになったんですね。そこの作業所で事務の仕事の訓練をしました。そこに1年ぐらいですかね、いたんですけど、仕事を全然覚えられなかったのに少しずつ覚えられて、電話を取ったりとかの仕事をさせていただくようになって、ちょっと責任感を感じたりして、自分は少しは何か役立っているのかなって思ったときも出てきました。

一番最近なのは、一般就職をしたときのことで、やっぱりそれなりのお給料をもらっているし、そこに通われている学生さんたちには病気のことをクローズでやっていて、あからさまにばれてはいないと思うんですね。それでお給料をもらえているので、『ああ、自分は社会の歯車に少しは入ってきてるのかな』って思ったりしたときが、ちょっと気持ちが安定したときかなって思います。

薬のこともそうですけど、やっぱり成功体験がすごく大事だと思うんですね。例えば具合が悪くて作業所に来ていますということになったときに、『具合が悪いからちょっと休みます』というんじゃなくて、私が通っていた作業所では、もうちょっと頑張ってみようっていうふうに言われるんですね。で、頑張ってみると案外できたりするものなんですよね。そのときに、『あ、ここでくじけなくて良かった、こんなにきつくても私やれたんだ』というふうに思えたときとかの成功体験が少しずつ積み重なって、ほんとにゆっくりですけど自信がついてきてるのかなと思います。」

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