統合失調症と向き合う

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渥美正明さん
渥美正明さん
(あつみ・まさあき)
44歳、男性。16歳から引きこもりになり、23歳で統合失調症と診断された。2回の入院を体験し、現在は、服薬とデイケアなどで入院することなく症状が安定している。地域活性化のボランティア活動に参加している。母親、妹と3人暮らし。
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6症状回復のターニングポイント

「最初についたお仕事が、老人ホームとかそういった施設関係に、施設内のステート(清掃)の仕事でハローワークさんのご紹介で行って、トレーニング積んでからそういう病状が安定してきたなあ、働けるんだなっていうような感じとして思えてきた実感が湧いてきましたね。もう生きる自信ですね。入院した当時は、働くすら考えていなかった、働ける(ということ)すら考えていませんでしたから、これだったら僕もいけるなって感じで職につかせて(いただいて)。

医療機関の雇用担当の職員さんに、一応、なんかお仕事やったらっていうような形でおっしゃられたのでそれで一緒に、医師の先生の意見書を持ってハローワークまで行っていただいて、病態とかをハローワークの障害者窓口の人に説明していただいて、訓練をして、その訓練が実習生として3か月入って、それからまた本採用になったときに僕もいけるんだなって思って、そしたら希望がある、働けるんだったら頑張ってみるかっていう感じで生きる望みを作りました。(働いたのは)だいたい1年半。また少し休憩みたいな形でやらせていただいて(います)。」

●病気を隠さない

「(病気を)やっぱし隠さないですね。隠す(こと)自体が今の世の中の風潮としておかしいんじゃないかな。障害があってもいいじゃない、障害があっても。健常者の人でも今、挨拶の仕方できない人がいるのに、なぜ障害者がこうやってきちんとした挨拶できる子がいるんだろうっていう形で。まあ、ごく一般の家庭でも例えばご兄弟とか家族とかが朝起きて、歯磨いてですよ、顔合わせても、母親に対して顔とか目と目があって、『お母さん、おはようございます』って言うのが普通、一般常識ですよね。健常者でできないことをやっぱり当事者の方がきちんと隣近所の人にご挨拶できたりっていうような、その・・風潮でしょうね。

(望みは)まあ例えてみるとこれきりがないんでね、話しづらいとこあるんですけど。やっぱり当事者らしく生きたいですね。僕、当事者っていう言葉嫌いなんですよ。やっぱし同じ人間ですから、障害者であろうがなんていうか一個人の、一人の人間として見てあげられる、友だちに対しても思ってあげられる気持ちを、思いやりを持っていかないとだめだなっていう気持ちはありますよね。」

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