統合失調症と向き合う

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田村千秋さん
田村千秋さん
(たむら ちあき)
1970年生まれの47歳(収録時)。結婚後、米国人の夫とともにアメリカに渡るが離婚。離婚手続き中に発症し、日本に帰国後、精神科を受診する。デイケアののち就労継続支援B型事業所に通所し、現在は、ピアスタッフとして退院促進などの活動を行っている。
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2受診の経緯
Q.何歳の時にどのような症状が出たのでしょうか

「22歳の時にアメリカ人と結婚したのですが、24歳の時に離婚になって、6か月の離婚手続きの間に、英語で幻聴が聞こえはじめました。電話がFBIだかCIAだかに盗聴される、自分の考えが街中に発信されると思えてきて、その街中に発信された考えに対する反応が留守番電話に残っていると思えてきました。

それで、(離婚)手続きが終わった途端に意識を失って……。父が日本から迎えに来てくれたので、連れて帰ってくれたのですけれども、全然憶えていなくて。帰国した次の日に精神病院に行きました。

母が心の病だったので、(受診先は)母の病院と主治医の先生にして、たしか家族全員で行ったのだと思うのですけど、入院した翌日に私が寂しがったので妹がすぐにお見舞いに来てくれました。」

Q.日本に戻って受診した時の様子は?

「意識がありませんでした、私は。すごく重い“うつ”だったらしくて、医師の手に負えなくて、2回電気ショックを受けました。それで、普通の“うつ”に戻って、病院の中で意識が戻りました。」

電気ショック(電気けいれん療法ECT:Electroconvulsive therapy):かつて電気ショック療法と呼ばれたこともある。現在は、全身麻酔のもとで、けいれんの起こらない方法(修正型電気けいれん療法)が主流である。うつ病、躁病、統合失調症の急性期などに有効である。

Q.発症した要因やきっかけは?

「結婚が不幸だったのですね。うちの結婚相手が、釣った魚には餌(えさ)をやらないみたいな人だったので。付き合っている時はたくさん話を聞いてくれたのですけれども、結婚したら話を聞いてくれなくなってしまって、うつうつとして、(私は)笑わなくなってしまったのですね。なので、そういう積み重ねがあったのだと思うのですけど。

(周りに)日本人がそんなにいなくて。いる日本人も結構気が強かったりしてみたいな……。」

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