統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
aksanさん
aksanさん
1988年生まれの29歳(収録時)。14歳の時に違和感を覚え、日常生活ができなくなり、受診。現在は就労継続支援A型事業所に週5日通所している。自分の中にある「向上心」が辛い日々の支えになっているという。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  >>
3入院治療
Q.入院の経験は何回ですか

「全部通して3回ありました。1回目が緊急入院で、2回目が普通の入院で、3回目が入院(医療保護入院)といった結構いろんな種類で入院しているのですけども、今はまったくそういったもの(入院)はしておりません。

(1回目は)15から16(歳)の間のいつかですね。ちょっと自分も定かではないですけど。(2回目の普通の入院は)自分が高校生になってからたぶん体調が悪くなって、ちょっと学校に行くのが辛くなってから、母親と相談して、病院で少し療養できないかという形で伝えて入院させてもらいました。1~2か月ぐらいですね。それで良くなって普通に(高校に)通えるようになりました。

(3回目の入院は)22から24(歳)ぐらいの時ですね。でも、自分にとっては結構昔の話なのですけども……。その時、自分でちょっと断薬してしまいまして、薬を抜いていたのですよ。そこで、ちょっと意識を失って、朦朧としてしまったのですね。

で、母親にも来てもらって、車で、その当時かかっていた主治医の先生がいる病院まで運んでもらって、車椅子とかで運ぶようになって、これはもう入院(医療保護入院)だという形で入れていただいたのですけど。自分も当時の記憶は、車に乗せられてもらっているという記憶しかないのですけど。3か月ぐらいは入っていると思いますね。当時は保護室からのスタートでした。(保護室には)1か月は入っていたのではないでしょうか。結構長い間入っていた記憶があります。」

Q.入院時の主な治療法は?

「入院した時は、同じく薬物ですけど、薬の名前までは、よく憶えていないのですけど、たぶんルーランとか、あとはアキネトン、まあ副作用止めとか、ジプレキサですとか、そういったものを摂取していたのだと思いますね。

たしか2回目の入院のあとに、アメリカからのサポートツールキットの一環として、IMR(Illness Management and Recovery:疾病管理とリカバリー)というものに参加していまして、心理療法ではないですけどそういったものを受けていました。

効果があったと思います。自分の病気について知る機会も得られたので、それが大きいと思いますね。ちょうど自分の病気について知りたくなっていた時に参加したので、ちょうど良かったと思います。その時の正しい理解が、今後に影響があるかなというふうに思っていますね。」

ルーラン(塩酸ペロスピロン水和物):非定型抗精神病薬
アキネトン(ビペリデン塩酸塩):抗パーキンソン病薬
ジプレキサ(オランザピン):非定型抗精神病薬

Q.3回目の入院時の薬は?

「その時はリスパダールですとか、あとは、その時もジプレキサですとかを摂取して治療していました。薬以外は特に、ほんとに、薬を飲んで安静にしているということがメインの治療法でしたね、自分にとっては。

ただ、入ってすぐに、自分の自意識、自我はあったのですよ。入ったとの記憶もあって。ただ、ちょっとぼやけていて、それを少しずつ、なんていうのでしょうね、自分の意識と混ざってきたのが、1か月ないしは1か月半ぐらいですかね。それまでまだ分からなくて、すごく混乱している状況でしたね。ただ、お医者さんが来て、質問とか診察とかしている様子はなんとなく記憶には残っていました。

母親が、『なんかぼそっと聞いちゃった』というのを伝えてくれたのですけど。『ずっとこの人は、この保護室にいるような人だと思ってた』という話を聞いたということは、聞きました。でもそれは、逆に、それほど悪かった状態から回復したということの表れと思って、自分にはプラスに受け取っているのですけど。」

リスパダール(リスペリドン):非定型抗精神病薬

Q.治療でいちばん辛かったのは?

「リスパダールのコンスタといって筋肉に注射を打つのです。それをすると、飲み忘れというリスクがなくなるという画期的な治療法なのですけども、痛みが伴う治療法でそれがちょっと物理的に辛かったというか……。

それは22から23歳ぐらいかな。ちょうど緊急性で入院したあとぐらいから、やはり飲み忘れはいけないよねということで医師と話し合って始めたのですけども、現在は服薬する形にしています。

初めは、注射するだけだったらと軽い気持ちで受けたのですけど、半端なく痛いですね。初めは2週間にいっぺんで、だんだん血中濃度が上がってきたら1か月とかでいけるのですけど、それでもやはり頻度が高いと痛いですね。

『また注射か』みたいな感じですごくブルーでしたね。(薬を)飲むという煩わしさは多少あるのですけども、これさえ飲んでいれば自分は大丈夫という安心感の元に続ければ大丈夫と思えれば、(注射の)痛みよりはいいかなと思って……。」

Q.コンスタによる副作用はありましたか

「気になるほどの副作用はなかったと思います。ちょっとだけ呂律(ろれつ)が回らなかったりということは、たぶん多少は認められたかもしれないですけど、それも始めた時だけで、それほど副作用で思い当たることはなかったですね。

エビリファイの時は何もなかったのですけど、ジェネリックの二プロにしたら、ちょっと舌のしびれですとかそういったものは認められるようになりましたね。ほんとに微細な変化だと思うのですけど、ちょっとそれが気になっていることもありますね。何か自分の意に反してやはり呂律(ろれつ)が回らなかったりするので……。

(ジェネリックに)変えてからちょっと気になるようになったので、もしかしたらそれが原因なのかなと考えたこともありますし、もしくは同じ薬をずっと飲んでいるので、それに対する副作用なのかなと思うこともありますし。まだ、定かではないですけど。

先生には1回話したこともあるのですけど、とりあえず今の治療プランを続けてちょっと様子を見てみようという話で落ち着いていますね。」

エビリファイ(アリピプラゾール):非定型抗精神病薬
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  >>