統合失調症と向き合う

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小松崎隆さん
小松崎隆さん
(こまつざき たかし)
1962年生まれの54歳(収録時)。高校2年生の時に発症。大学を卒業し、就労するが退職。入院体験は2回。ヘルパー2級の資格を有し、現在は身体障害者の介護のアルバイトをしている。実父と同居し、家事の一部を担っている。自身の希望で週に一度受診。
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62度目の入院
Q.3年前に入院することになったきっかけは?

「今通っているクリニックには通い続けていたのですけども、だんだんやはりおかしくなってきて、スタッフの人が自分を悪く言っているとかそういう感じも強くなって。あと、薬も、よく後発薬品で薬剤に、今では分かるのですけど、会社の名前が書いてあるのですけど、『それ同じだから、おかしい』とか思って先生にも言ったら、『うん、うん』なんて感じで。

それで入院を決めたら、その主治医の先生は、『自分で決めたの?』と言ったので、自分で決めましたと言ったら、『うん』と。殺されるから避難するということをその主治医の先生が理解していたかどうかは分からないのですけれども、任意入院ならいいかなと思ったかもしれないですね、ひょっとしたら。

それ(紹介状)はあまり記憶がないのですけども、たしかいらなかったような気もしますが、そこにもワーカーの方がいて、その時は同意書というか、任意入院の書類にサインしたのは憶えているのですけれども。それは船橋のほうの病院。ホームページで見て、かたっぱしから電話をかけて聞いたという感じで。とにかく年末12月27日ぐらいだったので……。(入院期間は)4か月ぐらいですね。

薬は飲んでいましたね。(それまで)処方されている薬とあまり変わらない薬だったと思うのですけども。ただ、下剤を結構、飲んだりするので、コップで水を持っていって、ポタポタたれる液体のやつとか(入れられて)……、それは憶えがありますね。

それと、最初の時も次の病院の時も、やはり大勢の患者さんがいるので、あまり(精神療法の)機会はなかった感じですね。たまに、1週間に1回ぐらいかな。担当の先生の診察があって、みんな並んでそれを待って、一人ずつ診察していくという感じですね。それで、『鼻の調子が悪いので、ちょっと耳鼻科にかかりたいんですけど』と言っても、『いえ、ちょっとそれは、紹介状書かなきゃならないから』とかいう感じで。またその病院が遠いので、入院している所から。だから、それは難しいかなぁみたいな感じでやっていましたね。

デイケアはやっていました。SSTという技法をやったりして、それはそれで勉強になったこととかがあるのです。でも、やはりなんか(調子は)おかしかったのですね。おかしかったと気づいたのはほんとに、両方とも退院して何か月か経ってからですね。」

SST(Social Skills Training):「生活技能訓練」または「社会生活技能訓練」と訳され、認知行動療法に基づいたリハビリテーション技法。社会で生活していくために、対人関係を良好に維持する技能を身につけ、自信を回復し(QOLを高める)、ストレス対処や問題解決ができるスキルを習得(再発防止)する目的がある。

Q.今までの入院治療で辛かったことはありますか

「治療かどうか分からないのですけども、2度目の病院で、水分を取り過ぎているということで、水分を制限されたのですね。多飲水という状態が、統合失調症の人にあって、それは薬の副作用とも言われているし、精神的なこととも言われている。いろんな要素が加わってそうなって、結構、臨床的にはよく知られていることらしいのですけども。

その制限というのが辛くて……。やはり夜中に喉が渇いて、廊下を歩いていって気晴らしをするとか。で、朝、水とかお茶とかを飲んでいいとなるのが5時からなので、それまではなんとか我慢というか。でも、他にもウロウロウロウロしている人がいたので、やはりそういう感じなのかなというのはありますけど。で、体重とかを管理して。

いや、でも自分は、そう言われているから我慢しなければということがあったので、飲んでいないです、だから。もちろん入院するまでは、その前の病院もそうですけど、ペットボトルを1日に20本とか、500(mmL)のペットボトルを、それぐらい飲んでいたので、今でもやはり飲めないということには辛い感じがあって……。」

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