統合失調症と向き合う

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A.T.さん
金山達也さん
(かなやま たつや)
1978年(昭和53年)生まれ、35歳(収録時)。29歳の時に症状が出現し、精神科病院を受診する。処方された薬を飲まなかったことから症状が悪化し、入院(1回)。その後、症状も落ち着き、デイケアに通いながら就労活動を行う。2年半前(2011年5月頃)に運送会社に就職し、配送車のドライバー補助として現在も勤務中。働くことが支えになっているという。服が好きで収録時はすっきりとしたファッションに身を包んでいた。
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7現在の仕事について
Q.実際に就労してみていかがですか

「そうですね、やっぱり思ってもみなかった展開ですね。今みたいに仕事ができると全然思っていなくて。ま、(自分は)そんなに必要とされることもないやろうと思っていたので。

で、収入が多くなったから生活保護も打ち切りになって、障害者年金と給料だけでやっていける(ように)なったので。税金も取られてという、なかなか、一般人の生活に近づいたのではないかなあと思って、それが結構うれしい、最初給料をもらった時はうれしくて…。」

障害年金:病気やけがなどによって、一定程度の障害の状態になった人に対して支給される年金のことで、障害の程度に応じて支払われる金額が異なる。障害年金には、「障害基礎年金(1級、2級)」と「障害厚生年金(1級〜3級)がある。生まれながらの先天性の障害や知的障害は障害基礎年金の受給対象となる。

Q.現在の職場に満足していますか

「今の仕事は、会社が結構、体育会系のノリというか、男の人ばっかりなので、カラッとしていて、なんか面白い人が多くて。今まで、自分では人間関係を築くのは、築くというか自分で作っていくのは難しいなあと思っていたのですけど、やっぱり、今の会社に入って良かったなあと思うのは、人が良かったですね。だから、今の会社に就職できて満足しています。」

Q.現在もデイケアからのサポートはありますか

「一応、仕事している上で、ちょっと、こんな困りごとがあったなあとか、ちょっと悩んでいることがあるなあと思ったら、スタッフに相談すれば相談に乗ってくれます。必要とあれば会社にも連絡を取ってくれます。」

Q.精神障害をお持ちの方が就労できるために何が重要だと思いますか

「よく、お医者さんとかが言われることは、ま、病気の方に限った話じゃないかもしれないのですけど、一般の方もそうかもしれないですけど、ちょっと必要以上に頑張り過ぎるというか、真面目に取り組み過ぎるところがあるんかなぁという…。

で、僕も、いい意味でというか、ちょっと言い方が難しいのですけど、手を抜いているわけではないのですけど、まぁ、気楽にやるというか、あんまり構えすぎないで、なるべく…。僕の場合、密室の空間に2人なので、ドライバーと、人間関係をうまくとることをメインに考えてやっていますけど。そうですね、やっぱり人間関係、人とのコミュニケーションの仕方と、あとはやっぱり頑張り過ぎないことが重要かなあと思いますね。」

Q.発症する以前は頑張り過ぎていましたか

「はい、そうですね。夜遅くに帰ってくる仕事とかもしていたような気がしますね。なんか人間関係にすごくつまずいて、被害妄想的に考えて、『自分は仲間外れにされてんちゃうかなあ』とか思ってしまうところがあったので。そういう部分が、今の時点でなくなったので、そういう風に捉えなくていいんだよというのを、ちょっと言ってあげたいですね。もし、働きたい方がおられるのでしたら、(同じ)病気の方で。」

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