統合失調症と向き合う

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藤崎伸一さん
藤さき伸一さん
(ふじさき しんいち)
昭和23(1948年)年生まれ、現在62歳。一人暮らし。入院は8回。長年にわたり辛い体験をし、「自分が最期を迎える場所は老人病棟かも」と思っていたそうだが、社会資源を利用することで今は仲間もでき、日本各地を旅行するほど、毎日を楽しく送っているという。
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15これから

「恥ずかしいんですけど、今、習い事を2つぐらいしています。習字を少し、月3回ぐらい。あまり行っていないんです、最近。それと放送大学を少しかじっています。まだ、入学もしていません。選科履修生です。ま、できるところまでやってみます。それしか言えません。

自分はコンプレックスの塊みたいな男だったんですけど、そういうものを少しでも解消できればいいなというのが動機です。字も下手なので、少しでもうまくなりたいというので習字を習ったり、若い頃あまり勉強もしていなかったので、少しでも自分のためになればいいなあと思って始めました。」

●今の自分について

「ある人に聞いた話ですけど、若い時に苦しんだ分だけ、自分は今、寛解という言葉を使うんですけど、寛解に近いと思うんですけど、自分で言うのもなんですけど、そういう状態になれたのも、若い時に苦しんだから、その分、今の喜びは大きいんだなあと思います。

長期入院している人をいっぱい知っているんですよね。だけど、その人達は、本当は、心の中ではやっぱり人間だから誰でも外で生活したい、地域で生活したいと思うんじゃないかと思うんですよ。自分、えらそうなこと言うようですけど。だから、そういう意思がある人は、どんどん地域で生活できるように、これから薬も良いのができるということを願っていますし、みんなが地域で、外でどんどん生活できるようになればいいなと思います。

自分は入院するのがものすごく嫌なんですよ、いまだに。7回目の退院したあとは、ただ働くことに一生懸命だったし…。で、今は、薬さえ飲めば普通に生活できるという気持ちがあるから、無理しない程度にやっていければ。ものすごく、今、自分は天国にいるようで…。贅沢はできないですよ。最低限の生活ですけど、自分は安定して、気持ちもものすごく楽ですし。

この前、ボランティア講座の時に、当事者が3人ぐらい呼ばれて話したんです。精神障害の方のボランティア講座を、普通の方(向け)に市が開催しているんです。その時に『自分は生まれ変わっても、同じ病気になってもいい』と言ったんですよ。今がものすごく幸せだから。今のほうが数倍楽しい。充実していますもん、今は、いろんなことに。」

寛解:病気の症状が一時的または継続的に軽減・消失した状態。再発する可能性もあり、完全に治った状態とは異なる。
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