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3大腸がん手術の合併症
●腸閉塞(イレウス)

「安全域で腸を取ってリンパ節郭清を行う、つまりかなり広範に病気を取ってくると、手術後は腸の動きは少し遅くなり、一時的に麻痺をするような形になります。麻酔や手術自体の影響もあって、腸の動きが悪くなり、便やガスがたまってお腹が張ります。手術後の経過としては、3〜5日目のどこかで便が出ることが一般的です。

最初におならが出て、そのあと便が出ますが、その直前はお腹が少し張って吐きっぽい状態になったり、実際に少し吐いてしまったりすることもあります。ただその状況が少し強い場合には、レントゲンを撮ってみると腸がパンパンに張っていることがわかり、『腸閉塞(イレウス)』という状態になったということになります。」

●腸閉塞への対処

「その場合、通常は細めの管を鼻から入れて、胃の中にたまったものを抜いてあげると治ることが比較的多いです。それで回復しない場合には、長い管に入れ替えて小腸のほうまで管を入れて、腸液を抜いてあげることによって、太くなっていた腸が細くなる。そうすると通過がよくなり、時間がたつと腸の動きもよくなってきて、それで改善することがほとんどです。

ただ場合によっては癒着が起きていて、どうしても腸の曲がっている部分が治らないことがあります。そうすると減圧、つまり鼻の管から腸液を抜いてあげても治らないことがあります。そういう場合にはもう一度お腹を開けて、癒着をとるような手術が必要になることもありますが、一般的には鼻の管を入れることで対処できる場合がほとんどです。」