統合失調症と向き合う

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田村千秋さん
田村千秋さん
(たむら ちあき)
1970年生まれの47歳(収録時)。結婚後、米国人の夫とともにアメリカに渡るが離婚。離婚手続き中に発症し、日本に帰国後、精神科を受診する。デイケアののち就労継続支援B型事業所に通所し、現在は、ピアスタッフとして退院促進などの活動を行っている。
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3治療について
Q.治療を受けて症状は回復しましたか

「私は5年間、自分がただ風邪を引いたとしか思っていなくて。薬は思い出した時にしか全然飲まないし、診察は母に任せて、夜もちゃんと寝ていませんでした。なので、心の病が全然治りませんでした。

先生も呆れてしまって、あまり何も言わなかったですね。意識がなかった時に説明を受けたので、何も憶えていないです。

それで5年経ったら、支援者の方達とか主治医の先生達に見放されてしまったのですね。あまり真面目ではないので。それで『まずいな、自分でなんとかしなくちゃ』と思って、周りの人が『あなたはうつです』というのを聞いていたので、うつ病を治す本というのを自分で買ってきて読んで、そこに書いてあるアドバイスを全部実行しました。服薬することとか、診察には自分が行くこととか、夜はたっぷり眠ることとかが書いてあって、それを実行したらみるみるうちに良くなっていきました。

(その時の薬は)憶えていないです。また変わってしまったので……。」

Q.病名を知ったきっかけを教えてください

「『あなたは統合失調症もありますよ』ということを言われました。それは37(歳)の時です。その時も病識がない時で、『あなたは統合失調症もありますよ』と言われました。

37歳の時に、躁(そう)状態になって病院の先生とケンカをして転院した時に、S先生に『あなたは非定型精神病だよ』と言われました。それは統合失調感情障害のことなのですけれども。情報は電子辞書に載っていました。“非定型精神病”でありました。(それを見て)ああ普通の人とは違う病気にかかってしまったなと思いました。

統合失調感情障害と言われたほうが納得がいきます。統合失調感情障害だと、あなたは統合失調症でもあり、躁うつ病でもありという説明がされたので、納得がいきます。例えば被害妄想が強かったり混乱があるのですけど、それは統合失調症のほうだと思うし、躁(そう)状態になりやすいのは躁うつ病のほうだと思うのですけど。」

Q.今までに入院の経験はありますか

「8回以上あります。8回はきちんとした入院なのですけれども、大量服薬を繰り返しているので、1日から3日の入院が何回もあるので、それを加えると10回を超します。」

Q.大量服薬を繰り返したのはなぜ?

「その頃はデイケアにもつながっていなかったかもしれないです。支えがなかったかもしれないですね。最初は真面目にデイケアにも行かなくて……、支援してくれる方がいなかったです。主治医の先生だけでした。」

デイケア:地域の保健所や精神保健福祉センター、医療機関などで、個人別の評価と働きかけ、およびレクリエーションやSST(社会生活技能訓練)などのグループワークを組み合わせることで、社会復帰の足がかりとする取り組み。
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