統合失調症と向き合う

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A.T.さん
A.T.さん
34歳(収録時)。19歳の時にうつ症状で受診し、その後、激しい症状が出たことで入院治療となり、統合失調症と診断される。10年ほどデイケアに通所し、2年前から2つの作業所に週4日通っている。現在、統合失調症の症状は落ち着いているが、合併症として糖尿病を発症。むしろ糖尿病のコントロールが問題になっている。一人暮らしをしているが、支えてくれるパートナーがいる。
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11メッセージ
Q.同じ病の方へのメッセージをお願いします

「やっぱり病気という認識だと暗くなっていると思うのですけれど。もちろん病識は必要で、その辺は認識しつつ、でも悪い意味じゃなくて、こういう経験もできたんだと言うか…。

なんて言うか、変わり映えのしない毎日だと、やっぱり『病気だから』とか思ってしまうと思います。でも、ま、誰しも、病気でなくてもそうだと思うのですけれど、ちっちゃいことに喜びを感じていたら、病気でも、むしろ病気だから経験できることもあると思うし、そんなに悪いものでもないのではないかなと思うのですけれど。」

Q.家族としては何ができるでしょうか

「うちの母親を見ていて思うのですけれど、やっぱり頼れるところには頼って、いろいろな機関とか。ふさぎ込まないことが、いちばん病気のためにはなると思うのです。やっぱり抱え込んでしまうと何も扉が開かないので、とにかく相談するということが大事だと思うのですけれど。」

Q.あなたとご家族との関係はいかがですか

「うちの家族は、割と和気あいあいとしていると思うのですけれど。父も面白い人なので、『(親には)自分のことが言えない』とか言う人もいると思うのですが、全然そんなことはないですね。むしろ言いすぎて、煙たがられるというか。冗談も言い合えるので、明るい家族だと思うのですけれど。」

Q.医療従事者へメッセージがあればお願いします

「自分の気持ちを打ち明けられるのは、心療的な面(精神的な面)なので、やっぱり精神科の先生なのですけれど。内科の先生は内科のことだけになりがちなので、結構ドライに診察を受けている感じです。

心を打ち明けられるような関係に、医療従事者の方とは関係が築けたら理想的なのではないかなと思うのですけれど。

やっぱり病院と関わるとなると、形式的になりがちですけれど、ふと思ったことを言える瞬間があれば、関係が開けてくるとは思うのですけれど。だからといって自分から、『冗談言ったら和むかなあ』とか、そういうことを考えるのではなくて、まずは普通に接していて、そういう心が開ける瞬間というのは、ふっと来るものだと思うので。そんなにもう頭ごなしに、『どうせ今回も無理ちゃうかなあ』とか、『この人に相談してもダメかなあ』とか思うのではなくて、普通に接している感じでいいと思うのですけれど。」

Q.今後の展望は?

「作業所から、就職とかということは、ちょっとやっぱり突然は考えられないので、とにかく自分を律するようにして、ちぎり絵を一枚でも多く作って、安定して、できるだけ再発せずに暮らしていきたいなというふうに思っているのですけれど。」

Q.インタビューに協力してくださった理由を教えてください

「病気になってからの自分を振り返る良いきっかけになると思いましたし、ちょっとでもこうやって話すことで、『こういうケースもあるんだな』とか、参考にしていただけたら、同じような境遇の方に思っていただけたらいいなと思ったので、やってみようと思ったのですけれど。」

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