統合失調症と向き合う

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田中早紀さん
田中早紀さん
(たなか さき)
1985年(昭和60年)生まれの33歳(収録時)。16歳で体調を崩し受診し、17歳の時に統合失調症と診断される。現在はB型事業所に通所していて、将来的には当事者活動を行いたいと思っている。同じ病の夫と双子の男児との4人暮らし。
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10周りの人との関係やコミュニケーション
Q.医師や医療スタッフ、作業所のスタッフなどから言われて嬉しかったことや役立ったことは?

「10年以上前なのですけど、O病院に入院している時に、看護師さんに『失敗を恐れず、今できることをやっていく(いきましょう)』みたいなことを言われて、それが結構、響きました。時々思い出します。なんか言われ、誰かに聞かれる時にそういうふうに思い出すことは、やはりその言葉かなぁと思います。

病気の途中経過の状態の時だったのですよ。それで、だから諦めることってたぶんたくさんあったと思うし、あと失敗するのが怖いという自分が、たぶん前からあったのだと思うのですよ。だからなんでもできて当たり前じゃないですけど、そういう考え方というか。なんて言うのですかね、当たり前のことが当たり前ではないと思えない自分もいたりする時もありますし。それで『失敗してもいい』と言われると、まあ安心感というか、そういうものもあったので、それに響いたのかなぁと思います。

(私は)中途半端な完璧主義者でしたけど、今はまあ、意識的に少し気もゆるくしています。」

Q.家族から言われて良かったことは?

「母から言われたことなのですが、『あんたやけそうふうなんやなぁ』という……。意味を説明させてもらいますと、普通だったらあり得ないと思うのですよ、母は。でも普通ではないこともあり得るというふうに思えるのが、まあ、私の病気であるというのが、何て言うのですかね、うまく伝えられないのですけど。

母の中の普通の考え方だと、それはあり得ないことやけど、私だから、その普通じゃなくてもあり得るというか、そういう意味でいいですかね。まあ『あんたやけんあり得るんやなぁ』というのが……。よく言われます。だからそれがちょっとありがたいですね、分かってくれているというので。」

Q.ご主人との関係で気をつけていることはありますか

「時々思うのは、ま、旦那だから、こういうタイプなんやとか、旦那やけん、この人やけん、ま、こういうこともあってもいいかみたい(に)、逆(に)。母からの目線じゃないですけど、私も、そういうふうに同じような感じで捉えるようには意識しています。でないと、イライラしたり、ちょっと腹が立つことも多いので……。」

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