就労継続支援 B 型事業所 ここリカ・プロダクション
「2014年6月札幌市白石区に就労継続支援 B 型事業所ここリカ・プロダクションは開所しました。メンバー17名とスタッフ6名の計23名で働いています。」
「初めの頃はメールマガジンを配信したり、自身の体験談発表をしたりしていました。 今では寸劇を取り入れた体験談発表などを行っています。
講師を招いた研修会を行ったり、研修会の撮影や編集、DVD の作成もしています。
同じ法人のイベントで楽器演奏者をお呼びした時には、撮影経験のないメンバーが2台同時に回した1台のカメラに大きく映り込んだり、カメラの前と後ろが逆でずっと自撮りをしていたなどという失敗談があります。
オリジナル映像の企画作成として、過去には沖縄や平塚で行われた市民メディフェスに参加したり、小樽ショートフィルムセッションには小樽を舞台とした短編映画を出品しました。
市民メディフェスでは、メディアに関わる人達との意見交換や交流により良い経験を積み重ねられたと思っています。」
Q.ここリカ・プロダクションの特徴は?
「いちばんは、障害者と言われると、割と『できない』とか、『限界がある』と周りから規定されることが多いと思うのですけど、限界を自分達で規定すると。ここまではできるだろう、これは無理だろうということをやっていこうというのが1つ。もう1個は、自分達の障害のことを自分達の言葉で語るということはいちばんメリットになるということで、それを事業の中心に取り込む。」
Q.メンバーに変化はありましたか
「変わりましたね。自分の障害の話をしていくうちに自己理解、障害への理解が深まったことでやれる仕事が増えた人が多いということと、あとは自分自身で限界が見えてきている人が多い。
展望ですね。自分達で作り出す映像なりコンテンツなりをしっかり作っていくということが1つかなと思うのと、メンバーにB型だけどいちばん工賃が払えるということが理想かなと思っています。」
「また町内会などの依頼による案内文章の作成や新年会に出席したり、避難所運営ゲーム北海道版(Doはぐ)の開催も行っています。近隣施設のイベントにも積極的に参加協力をしています。」
(バックの声)(Doはぐ)「災害時には障害者も弱者になりうるということで、真冬の氷点下のところに直下型地震が起こったという想定で、どう避難所を運営していくかということをみんなで考える卓上ゲームです。すごく有効だったなというのは、障害のことを、真っ正面から向き合うわけではないのですんなり受け入れてくれるのですよね。」
(紙ロケット)「北海道の小さな都市に民間のロケット開発をやっている企業があるのですよ。子ども向けにペーパークラフトのロケットを上げるのを通して、子ども達にいろんなものを伝えるということを事業としてやっていらっしゃるのですね。そのノウハウを教えていただいて、ここリカ・プロダクションでもロケットを打ち上げて、障害者ではあっても、あきらめるということは他の人が決めることではないということを伝えながら、去年から始めているのです。 事業をやりながら前段の説明の時に、精神障害の理解ということをちょっと分かりやすく入れることで小さい時から分かってもらうということができるのではないかと……。」
「2017年からは地域コミュニティ FM にてラジオ番組を始めました。番組は2つあり、内容はここプロで働いているメンバースタッフが当事者の視点からメッセージを送り、番組を通じ、精神障害者はもちろん支援者リスナーの皆さんとつながりその場が広がることを目指しています。もう一つの番組はイベント情報や保育園幼稚園の園児たちとの元気な歌声や将来の夢をインタビューし放送しています。」
マズローの欲求5段階説:
人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる。下から「生理的欲求」(生きていくための基本的・本能的欲求)、「安全の欲求」、「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったりする)、「承認欲求(尊厳欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)、最後が「自己実現の欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)。
「ここプロで大切にしていることは、人とつながり、つなげることです。リーフレットの表紙の言葉にあるように『がんばらないのも仕事のうち』とメンバー本人が無理をせず、自然体で仕事ができる環境作りをしながら、メンバー、スタッフが力を合わせて働いています。
札幌にお越しの際は、ぜひお気軽に事業所にお立ち寄りください。」
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