地域生活支援センター すみよし

1. 地域生活支援センターすみよしの紹介

地域生活支援センターすみよしは、宮崎県宮崎市にある社会福祉法人清樹会(せいじゅかい)が2004年6月に設立した地域活動支援センターT型の事業所です。同じ法人に、就労継続支援B型事業所でお弁当配食サービスのブライトハウス住吉、就労移行支援事業所の野菜中心のバイキングレストラン樹樹(じゅじゅ)があります。

宮崎市には支援センターが2つあり、ここ(すみよし)は市の北側の住吉地区にあります。

職員数は6名、普段の利用者さんの数はだいたい1日平均20名程度です。宮崎市の利用者さんだけでなく、近郊の市や町からも多くの方が来られています。また看護学生さんや、精神保健福祉士などの実習生も多く来られています。

開所時間は、祝日を除き、月曜日から土曜日まで、朝8時30分から夕方5時15分までで、普段は交流室でおしゃべりをしたりお茶を飲んだり、それぞれが好きなように過ごされているようです。

また、相談支援事業所として、来所での相談、電話での相談のほか、訪問などでの支援も行っています。

2. プログラム

(1) すみカン
平成20年に宮崎市のピア活動推進事業が始まり、7月に、東京都のJHC板橋会からピアカウンセラーの方々を講師としてお招きして、第1回ピアカウンセリングセミナーが開かれました。それをきっかけに、すみよしピアカウンセリング学習会が始まり、平成23年にすみよしピアカウンセリング、略して「すみカン」という名称になりました。今では月に1回行われています。 「ピア」(peer)とは英語で仲間、対等という意味であり、ピアカウンセリングとは互いの経験を出し合い、気持ちを分かち合っていくことです。すみカンでは、参加者が出した悩み事などのテーマに基づき、意見交流をしています。

すみカンで大切にしているのは、相手の話を誠実に聴くこと、自分のことを自分の言葉で話すことです。守秘義務を守る、などの最低限のルールはありますが、柔らかい雰囲気で行われています。

アドバイスをするというよりは、自分の経験してきた話を分かち合うことで得られる「何か」を大切にしています。また、自分のきつかった経験が誰かの役に立つということはうれしいことだと思います。

参加の程度は様々で、ただ座って聞いているだけでも大歓迎ですし、盛り上げてくださる方々も大歓迎です。パスした方々にも拍手が送られます。拍手は、すみよしのどのミーティングでも絶えることはありません。

(2) てげてげSLB
てげてげSLBとは、北海道の「(浦河)べてるの家」の当事者研究を、すみよし流にアレンジしたプログラムで、平成23年から行われています。てげてげとは宮崎弁で「ほどほどに」という意味で、SLBとは、すみよしライフビューティフル(Sumiyoshi Life Beautiful)の頭文字です。

「べてるの家」の当事者研究のたくさんのノウハウや当事者研究用語を取り入れつつ、独自のスタイルを取り上げているのが特徴です。

当事者研究のいいところは、自分のことを客観的に見られること、困った時にこそ、「これは研究するいいチャンス」と思えるようになったことだと思います。

今までに挙がったテーマは、「かまってほしい」気持ちの研究や、恋愛の共依存の研究、仕事についての研究などがあります。すみよしの当事者研究では、「自分自身でともに」、「経験は宝」など、べてるの理念だけでなく、すみよしならではの名言も生まれました。

(3) ピアスタッフ
すみよしには4名の精神障害の経験があるピアスタッフがいます。うち1名は地域移行支援事業専門のピアサポーターです。平成25年12月現在では、宮崎県内に(いる)ピアスタッフは、すみよしだけとなっています。

主な仕事内容は、ピアスタッフ相談、すみカンやてげてげSLBなどのプログラム運営、交流室担当、各種講演活動、精神科病院等でのプログラム運営、長期入院されている方の退院へのお手伝いなど、多岐にわたっています。

ピアスタッフ相談では、来所での相談や、専門ダイヤルでの電話相談、ピアトークを行っています。ピアスタッフ相談では、自分の持っている情報を提供しながら、傾聴を基本として行っています。もちろん守秘義務は守られていますので、安心して話しをすることができます。

3. メンバーのコメント
山本径子:(すみよしのスタッフ:精神保健福祉士)
利用者さんに対していちばん心がけていることは、職員が代わりに解決しようとしないようにしようと思っていることですね。お一人お一人の方に生きていく力がすごくあると思っているので、力を引き出せるような支援ができればいいかなと心がけています。6年やってきて、ほんとうに目に見えて大きく変わった方がたくさんおられます。そして私たち職員も楽しいです、すごく。人の力というのを実感できる、いくつになっても人は成長し続けるんだなと、喜びを与えてくれる活動かなと思っております。
若林伸史(すみよしのメンバー)
僕がここに通い始めて4年が経ちました。ここに通い始めて明るくなりました。もっとこういう施設を増やしてほしいです。
渡邉康造:(すみよしのメンバー)
支援センターで皆さんと話しができるのがとても有り難いです。私の考えが話せるし、じかに一緒に話を聞いてもらえるのがとてもうれしいです。
4. まとめ

ブライトハウス住吉、また支援センターすみよし、樹樹ができて、障害者に対するサービスとチャンスを与えてくれているので有り難いと、私は思います。ここ15年の間に、この地域にこれまでなかったサービスとして、このような施設ができてたいへんうれしく思います。

ぜひ、みなさん、支援センターすみよしに遊びに来て下さい!

「すみよしに来ないよ−!」

(舞台で歌っているシーン)音楽好きメンバーが「ほっぷ♪はにわ」としてイベントなどに参加。この日は、第16回宮崎県ふれあい文化のつどい(平成25年11月20日開催)に初出演。歌っている曲は、宮崎の口蹄疫応援ソング「酔芙蓉の坂」。
「酔芙蓉の坂」 作詞 川野武文 作曲 伊牟田茉莉  ©MRT宮崎放送(MRT宮崎放送より許諾を得ています)


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