統合失調症と向き合う

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西田淳志さん
西田 淳志さん
(にしだ・あつし)
東京都精神医学総合研究所
2008年に三重大学大学院医学系研究科を修了(医学博士)。同年、東京都精神医学総合研究所に研究員として着任。その後、University College of Londonの客員研究員、東京都医学総合研究所の主席研究員、プロジェクトリーダーを経て、2020年に同研究所の社会健康医学研究センター長に就任(現職)。
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1若者(10〜20代)の統合失調症を発病する割合

「統合失調症の罹患率(りかんりつ)とか有病率(ゆうびょうりつ)といったもののデータに関してですけれども、最近の日本における正確なデータは、まだ出てきていないですね。以前調査されたものはありますけれども。海外のデータを参考にしますと、統合失調症もしくは統合失調症に類似した疾患というのは、一般人口の中で3%ぐらいはいるであろうと言われています。統合失調症は1%ぐらいだというふうな話がありましたけれども、かなりそれに類似する状態の病気、病状というものもあって、それらを含めると3%ぐらいだというふうに言われています。

1年間にどれぐらいの方々がそういう病気になられるかということも非常に重要です。例えば、イギリスのデータなどによりますと、人口10万人の地域に関しては、1年間で20名ぐらいは統合失調症もしくはそれに似た病気を発病されるというふうに言われています。ですから、東京の世田谷区ですと、人口が約80万人ですから、年間で言いますと160人ぐらいの方々がそういう病気に新たにかかるということになってきます。

発病される方々の年齢ですけれども、平均は22歳ぐらいと言われています。ご存知のように、男性と女性では発病のピークの時期というものが若干異なると言われていますけれども、だいたい22歳ぐらいがトータルの平均というふうに言われています。ですから、半分ぐらいの方々は、10代で発病されているという状況があるわけですね。そういう意味で、まさに統合失調症は若者の病気であるということが言えると思います。」

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