統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
小松崎隆さん
小松崎隆さん
(こまつざき たかし)
1962年生まれの54歳(収録時)。高校2年生の時に発症。大学を卒業し、就労するが退職。入院体験は2回。ヘルパー2級の資格を有し、現在は身体障害者の介護のアルバイトをしている。実父と同居し、家事の一部を担っている。自身の希望で週に一度受診。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >>
9就労について
Q.精神障害をお持ちの方が就労するために必要だと思うことは?

「私なりにということもなかなかないのですけども、よく書かれていることで自分で共感できるものとしては、やはりSOSを適切に出せるようになるということがいちばん大事なこと。さっき相談をするという話をしましたけど、自分はもうだめ、だめというかこれ以上はできないなという時に、無理をしないで、例えば休息を取るとか、そこを人に言ってなんとかしてもらうとか、そういうスタンスでいかないと、なかなか就労は難しいかなという感じがするのですけど。

それで、自分個人の考えとしては、仕事を何回変わってもいいと思うのですよ。自分に合わないなと思ったら変わってしまって、ま、投げやりな言い方かもしれないけど、続く時は続くし。それは一般の人でもたぶん同じことだと思っています。どんなにすばらしいと思って入っても、そこが過酷な労働環境だったとか。人間ってやはり任せてくれているのだなという意識を持つことが仕事をやっていくモチベーションを高めるのにすごく大事で。だから、『ここの仕事は自分がやっているんだ』という意識を持てるようになると、だいぶ楽になるかなという感じはするのです。ただ、なかなか難しいですけどね、それも。」

Q.社会的な要素としては?

「やはり周りの環境ですね。ただ、それは難しくて、前にテレビで見てすごく感心したのは、ゴミの分別作業をしなければならない時に、それは知的障害の方ですけども、いちいち覚えてもらって、こういうのを取り除いてくださいと言ってもなかなか彼らがうまくできないのだけれども、写真にして『こういうゴミは取る、こういうゴミは取る』とか、そういうことだと思うのですけども、そういうふうに“見える化”してやると、すごくみんな上手くできるようになったという話があって。そういう工夫をやはり社会のほうでもしてくれるのが、大事かと思うのですよね。」

Q.偏見や差別を感じた経験はありますか

「いや、ま、そうですね。ただ、幻聴はいつでもそう言ってくるような気がするので、それは差別されていると思うのですけども。よく、前にクリニックで会った人などは、やはり職場でいじめられて、そういうことを言うことによって、いじめの問題がぼかされてしまうというのが問題だと思うのですけども。

ただ精神的な変調によって、(当事者が)いじめられているとか迫害を受けていると考えることがあるということを、普通の人も知っておいたほうがいいかもしれないですね。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >>