がんと向き合う

大腸がん 小腸がん 肺がん 膵臓がん 乳がん 子宮頸がん 卵巣がん 緩和ケア +plus イベント おしらせ

VOICE 大腸がん

体験者の声
医療者
支援者の声
大腸がんの基礎知識
イベント
おしらせ


高田 由香 さん
(たかだ・ゆか)
静岡県立 静岡がんセンター
疾病管理センター よろず相談 社会福祉士
日本女子大学にて社会福祉学科を専攻。肢体不自由児療護施設、リハビリテーション病院、一般病院の勤務を経て、2003年より現職。「がんでつらい思いをする人をなくしたい」と、予防や検診を広める啓発活動にも力を入れている。リレー・フォー・ライフというがん患者支援活動にボランティアとして参加。
movieImage
相談例4 がん治療の長期化に伴う失職
Q.がん治療中の夫が、ついに会社を解雇されてしまいました。何か救済策はあるでしょうか?

高田 「高田と申します。よろしくお願いします。」

相談者(患者の妻) 「お願いします。」

高田 「今日は、ご主人様のことでご相談にみえたということですが、だいぶもう治療が長くなってこられているみたいですね。」

相談者 「はい。」

高田 「お仕事をできないので困っていらっしゃると受付でお伺いしましたが、それではまず年金が該当しそうかどうか、少しお話をしていきますね。まず、がんになられた方の状況によっては、障害年金というものに該当することがあります。

障害の等級は1級、2級、3級とあり、全身倦怠、衰弱、障害の程度によって等級が変わってきます。たとえば治療することによって、全身衰弱とか、機能の障害があった場合も、もし、このあたりに該当すれば、障害年金の対象になりそうなんですけれども、確かに今、治療に専念しておられるので、何か働いて収入を得るというのは難しいかもしれないですが、年金が該当してくれば、毎月決まった額のお金が少し入ってきますので、そうするとまたそれが治療費に少し生かせますね。」

相談者 「すごく治療費が高いのです。」

高田 「そうですよね。詳しい説明は書類を整えてまたさせていただきますね。」


* * * * * * * * * *

解説●障害年金の受給要件

クリックで拡大します
障害年金の受給要件
高田「障害年金には、ご病気になられてから受給できるまで、大きな3つの要件があります。まず病気になってはじめて病院にかかったときに年金制度に加入していたかどうか。つまり初診日に、お勤めしていた方ですと厚生年金、そうではない方は国民年金などに入っていたかどうかです。次に、病気になってから1年6ヵ月の期間がすでに過ぎているかどうか。3つ目は、1年半たった時点で障害と言われている状態になっているかどうかということです。

クリックで拡大します
障害の等級
がん患者さんの場合、治療経過は皆さんわりと長い方もいらっしゃいますので、そうすると1年半ずっと病気の治療をしてこられて、その時点でどうかというのは差があります。全くお体の状態に支障がなく、お仕事に復帰していらっしゃる方もいれば、治療の影響でなかなか一般の日常生活が送れないという方もいらっしゃいます。

具体的には日常生活のレベル、たとえば少し家事ができる、軽作業ができるくらいのレベルであるとか、あるいは1日のうち半分ぐらいは寝たり起きたりの生活であるとか、1日中ベッドに寝ていることが多くて人の手を借りないと日常生活が送れないとか、そういう生活レベルでもある程度判断をしていくことができます。

治療中の方でも該当することがありますので、収入という形で今までかけてきた年金が少しでも受給できる可能性がある場合は、なるべく皆さんちゃんと請求をしてほしいと思います。」